憑神

DJポチ

2007年11月14日 18:54



 
将軍の影武者である別所彦四郎は
最近は暇を持て余す日々
ある日、不幸の神様に取り憑かれる
原作は浅田次郎の小説
主演は妻夫木聡と豪華だ

時代劇のかたくるしさを
取り除き、若い人でも
難なくのめり込める

不幸な人をさらに
不幸にする物語ではあるが
暗く落ち込むものではない

どことなく愛嬌のある
貧乏神を筆頭に
3人の不幸な神々は

なんだかんだ言いながらも
感情に流される
人情もろいやつらだ

その行動も冷たいところは
あるが結局は彦四郎に
同情を寄せてしまう

雨の中で落ち込む
彦四郎に傘をかける
貧乏神は、本当に人間臭い

主人公彦四郎だが
文武に優れ秀才の誉れ高い
イメージはあるが
落ちぶれているようにみえない

そんな彼が時代の流れにより
武士の本懐をとげるわけだが
その理由がよくわからない

彦四郎の武士としての一面が
映画では殆ど描かれておらず
突然の豹変にみえてしまう

この時代は尊王攘夷が
至る所で叫ばれ
武士はその身分に関わらず
時代の渦中にいた

まして、彦四郎は
友人に榎本 武揚と勝海舟という
大物がいるからなおさらだ

それらの人々と
明日の日本について
気持ちをぶつけあう場面がない

彦四郎の兄、左兵衛には
時代の流れにのって
武士を捨てるような軽薄さが
錆ついた刀などで表現されているのだが

彦四郎の語る武士の本懐は
なんだろうと考え込んでしまった

そこまでを描く作品では
ないのかも知れないが
最後の場面が残念な結果に
なっているように感じる


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