消されたヘッドライン

DJポチ

2009年10月23日 14:39



ワシントンD.C.で相次いで起こった二つの事件。
ワシントングローブ紙の敏腕記者カルは、
この二つの事件の奇妙な関連性を発見する。
「主人公のラッセル・クロウは
みるたびに、体格が横に広がっている」

あるスキャンダルをきっかけに、
巨大な陰謀に巻き込まれていく新聞記者たちの
戦いの日々を描いたポリティカル・サスペンス

新聞記者(ジャーナリスト)の活躍を描く
サスペンスは、時に警察の捜査さえも及ばぬ
事件の深い真相の闇へと、
観客を少しずつ誘ってゆく緊張感を醸し出す

新聞記者にとっての弱点は、
自身の経済的基盤、個人的利害関係が
記事の内容に大きく影響を与えるケースだろう

主人公カルは、今回の事件のキーマンである、
若き政治家コリンズとは大学時代の友人で
その妻であるアンにも以前想いを寄せていた

さらに、自身の務める新聞社が、
ゴシップ・ネタを扱うことに方針展開され、
社会犯罪を追う彼としては、
居心地の悪さと孤立だけが深まっている状態だ。

そこに、民間軍事企業が絡んだ
大スキャンダルが舞い込んできたのだから、
真実を伝えることと中立性に最後まで悩まされる

殺人も厭わない相手に、主人公カルは
ペンだけで対抗するという古風なサスペンスで、
派手なアクションシーンは一切ない

主人公カルは何とか中立性を
見失わないように務めようとするが、
それが揺らぐ箇所が何度もある

中立性を失わなかったことは
ジャーナリストの感の鋭さを失わせなかった
彼は土壇場であることに気づく

その前までの彼は、
ある人に肩入れしてしまったと言っていい
ここにジャーナリストの怖さがある。

何せ、ここまでの一連の流れで、
ありもしないことを、実証する為に、
裏付けの証拠を、無理やりそろえてしまう
マスコミの怖さをまざまざと見せつけられる。

観客も怪しい情報からこうだと
思いこまされてしまうのは、
我々の中にある疑心暗鬼がそうさせるのだろう

叩いて埃のでない大企業は存在しない。

意外なことに、事件の真相は、
壮大なスケールのものにはなりえず
どちらかと言えば、ゴシップ・ネタになる

主人公カルにとっては、
一番納得しえない決着をみるが
それでもそれを記事にしてみせたのは、
真実を伝えることへの義務だろう

??すらも売りものにしないといけない
ジャーナリストの悲哀はよく伝わる

この映画は、戦争というものを
産業として扱う企業の危うさを批判し

さらに、新聞というメディアを通して
ゴシップ・ネタに溢れる現状を嘆きながらも
世間に対しては、その中からでも
真実の報道を探し出してほしいと訴えている

購読者が減る一方の新聞社としては
「ペンは剣よりも強し」を実践した
骨太の社会派サスペンス映画として
大絶賛でおすすめしたい映画だろうが、

新聞社に対しての批判も描かれているので、
観てもほしくないと、胸中は複雑だろうな!

★blogランキングに参加中! この記事が参考になれば
ポチッとお願いします (^^♪
★★★★(素晴らしい)
★★★☆(すごい)
★★☆☆(とても良い)
★☆☆☆(良い)
by TREview


[映画雑談サークル:ラッセル・クロウが好きな人の参加募集中]

レビューポータル「MONO-PORTAL」


amazon dvd 通信販売

09年の記事一覧(モバイル用)

08年の記事一覧(モバイル用)

07年の記事一覧(モバイル用)

06年の記事一覧(モバイル用)

関連記事