第9地区

DJポチ

2010年07月31日 12:05


 
南アフリカ上空に突如現れた巨大な宇宙船。
政府は“第9地区”に仮設住宅を作り、
彼らを住まわせることにする。
「ザ・フライを久々に思い出した」

口コミで評価を集め
本年度アカデミー賞で作品賞をはじめとする
4部門にノミネートされた話題作。

第9地区にでてくるエイリアンの
特徴は、彼らが難民だということだ

人間よりも高度な科学力と
肉体をようする彼らですら
事と次第によっては、落ちぶれると
いうことを皮肉たっぷりに描いている

前半は、ドキュメンタリースタイルで
アパルトヘイトを彷彿とさせる
差別の実態が映し出され

難民キャンプのような
不衛生な暮らしをしいられる人々の
社会問題を浮き彫りにしていく

今年度、日本代表が大活躍をした
FIFA・Wカップの開催地
南アフリカの知られざる一面だ

前半でもうひとつ重要なのは、
主人公ヴィカスが
善人ではなく、虐待もいとわない
嫌な性格の奴だということだ

カメラの回っているところで
こうも本音と行動をさらけだすものかと
少々ワザとらしくも思えてしまうが

難民キャップの問題を
短時間で浮き彫りにしてくれて
大変ありがたい

ただ、ここまでは面白いと思わない。
アパルトヘイトだろうと
難民キャンプの問題だろうと
相手を尊重しない主義だろうと
本物の映像だけで十分伝わるから

この前半部分から、ある出来事を
きっかけに、主人公ヴィカスを
中心にしたドラマパートへと変わっていく

エイリアンへの生物実験や
破壊兵器の実験を繰り返している様が描かれ

主人公ヴィカスとエイリアンとの家族の
関わりをとおしながら
他者との交流が描かれていく

前半とうって変わって
個人の視点から問題が掘り下げられ

前半あれほど醜悪にみえたエイリアンが
数々の場面で、人間らしさをみせるが

特に子供を思う場面と
同胞の亡骸をみて、呆然と立ち尽くす
ところでは、彼らが人とダブって見える

能天気なSFと違って
シュールでシニカルな映画は
グロイ場面も多いのだが

パワーローダーでのアクションが
意外なほど、よくできていたり
二点三点する展開など驚かせる

厄介者が去って、一安心かと思いきや
その後のことを心配するところは
復讐を恐れた白人の本音と一緒だ

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