ハート・ロッカー

DJポチ

2010年08月09日 19:03


  
2004年、イラク・バグダッド。
873個もの爆弾を処理してきた
ジェームズが派遣されてくる
「観測手を伴った本格的な
狙撃シーンもみどころ」


イラク戦争に爆弾処理のエキスパートとして
従軍し死と間近で対面している兵士たちの
葛藤を描くドラマ

2010年の第82回アカデミー賞の
作品賞で『アバター』の
ジェームズ・キャメロン監督をやぶった作品は

アカデミー史上初となる監督同士の
「元夫婦対決」を制した
キャスリン・ビグロー監督の作品
『ハート・ロッカー』だった

対テロ戦争における戦争の変化を
描きだすものとして、取り上げられたのが
爆弾処理班と呼ばれる、もっとも危険な仕事だ

屈強な恐れ知らずの米軍兵士が、
物陰から安全を確保できる距離で、
彼らの仕事をただ見守るだけの光景は
ある意味滑稽ですらあるのだが

不安定に動き回る手持ちカメラを使い、
リアルな映像で描きだした処理光景は
緊迫感、高揚感、虚無感など
兵士たちの心の動きが見事に伝わってくる。

その場面も多種多様な構成で、
日本のドラマにでてくるような
爆弾処理を見慣れている人ほど、
驚きを受けることは間違いないと思う

特に、周辺のビルや人々を警戒し
叫び続ける兵士の表情や行動など
誰が市民で、誰が敵かも分からない状況は
衝撃的でもある

そんな中で戦い続けているわけだから
米国の戦争後遺症がいかに
深刻な問題なのかがよく伝わってくる

主人公のウィリアム・ジェームズは
873個もの爆弾を処理してきた
いわゆる、ヒーローのように
思うかも知れないが

同じ爆弾処理班でありながら
他のメンバーと全く異質な性格から
彼が病に冒された、病人であることがわかる

リアルな映像と先に記述しているが
彼の行動は、漫画そのものので
リアリティーに欠けるほどのインパクトがある

彼だけが、映画的な登場人物で
仲間との関係は最悪なのだが
ある事で、仲良くなるという
よくあるパターンを踏んでいく

それ以外にも、基地で知り合った
現地の少年との関係から
人間らしい行動をとることを
選択することができるのだが

それが、善い結果で終わらないのが
『ハート・ロッカー』だ

ジェームズは米国に戻って
家族と共にスーパーに買い物にくる

別れた妻から「シリアル」を取ってきてと
頼まれたジェームズが
棚に陳列された大量の商品をみて
不快感や不安感を生じさせるシーンがある

戦場で感じるならまだしも、
たかがスーパーの陳列棚に
強い苦痛を抱く、彼の病は深刻なのだ

この後に、意気揚々として戦地に戻る
彼の姿と比較してほしいと思う

戦争に魅力を感じ麻薬のように
のめり込む、どうしようもない
兵士の姿を感じることができる

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