ＤＪ犬による映画雑談

「ロッキー5/最後のドラマ」の
ストリートファイトで
すべてが台無しになったロッキー

そもそもロッキーは
売れない役者のスタローンが
さまざま困難を乗り越え

脚本と主演を勝ち取った
彼自身の物語でもある

映画「ロッキー」
製作にいたるまでの
裏話だけでも
アカデミー賞をとれそうだ

それを１６年ぶりに復活させた
スタローンの想いは
他人では理解に苦しむ

それを映画の中で
ロッキーの言葉として
観る人に語りかけている

冒頭すぐにある
ポーリーとの会話がそう

「もう終わりだ」
「過去にしがみついてもしょうがない」
「過去に生きるのはやめにしろ」
「過去を忘れろ」　

これら一つ一つが
スタローン自身にも
浴びせられた言葉であると思う

そして再びポーリーとの会話で

「この奥底に何かが燃えている」
とロッキーは言う

ここで奥底にあるものを
涙ながらにロッキーは語るが
私にはスタローン自身の心情を
語っているように思えてならなかった


「ロッキー・ザ・ファイナル」の
５０代の元王者と若手の王者の対決という
ものはたんなるおまけでしかない

その証拠にこの試合は
エキシビジョンで描かれている
映画ならなんでもありなのにだ

「ロッキーのテーマ」が
流れるころにすべての
問題が解決しスッキリと
試合に突入できる演出とともに

試合運びや試合の結果などより
ダウンから観衆のロッキー声援で
立ち上がる瞬間のスタローンこそが

この映画最大の見せ場なのだ

医学諮問委員会で
ロッキーが叫んだことが
重なって聞こえそうだ

ロッキー・ステップを
駆け上がるロッキーとともに
こぶしを空に突きあげたい気分になる


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