ＤＪ犬による映画雑談

「うしろー！うしろー！
スクリーンに向かって叫びたくなる」

世界最強の
ワンマン・アーミーが帰ってきた

過去の栄光を再現するのではなく
６０年間続く内紛に
己の怒りをぶつける為に
現役復帰で戦場に戻ってきた

冒頭から
ミャンマーの軍事政権を
悪役にしたてあげる手法は

ベトナム戦争を作り続けた
かつての米国映画同様
ステレオ的で悪鬼の如くだ

現実に行われている事でも
政治的配慮をものともしない
ランボーの存在は

イラク戦争以降
反省と説教を繰り返す
最近の米国戦争ものとは
一線を引いている

この映画のランボーは
ベトナム戦争で
精神的な傷を背負った
過去を持っている

イラク戦争に参加した
兵士も同様の問題で
苦しんでいる

彼らの力になるのではなく
現役で戦場に立ったのは

ラストをみればわかるが

今回の戦いは
過去を清算し故郷へ帰る
ランボーの旅の終わり

「ランボー」で
ベトナム帰還兵のランボーは
母国で冷たく扱われた

それから数十年たって
やっと故郷へ戻ることが
できるようになるには

最後の怒りを発散させる
ベトナムと変わらない
戦場が必要だったと思う

ベトナム戦争時の
戦場を再現できる
ミャンマーは
必然的な場所ではないのでしょうか

スタローンの選ぶ舞台は
アフガンもそうだったが
ミャンマーも
国際的にも根深い問題を引き起こす

戦闘シーンの
残虐で生々しい表現に話題がいくが

架空ヒーローモノほど
戦場をリアルに表現できるのは
何処の国も変わらないと思う

激しい戦闘の跡を
見下ろすランボーは
達観しているようだった

最新の戦闘術に精通した
傭兵部隊が今回仲間になるが

それでもランボーに頼るのは
できすぎではある

ベトナム時のヒロイズムを
最後まで貫きとおした
ランボーは
かつてのヒーローだった


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