ＤＪ犬による映画雑談

「ASIMO（アシモ）は開発の途中で
ローマ教皇庁に是非について意見を求めた」

全世界を風靡したベストセラー
「ダ・ヴィンチ・コード」シリーズの
映画化第二弾は宗教と科学の対立

秘密のヴェールで覆われてきた
ヴァチカンの世界が垣間見られるのも
本作の醍醐味だ

カトリック教会との摩擦を生んだ
前作とは違って、２作目は
教会への配慮を示した作品になっている

ラングドン教授のうんちくと
情報量の多さに、置いてけぼりになった
前作の欠点が解消されているのは

秘密結社「イルミナティ」の存在は
謎が多すぎて、逆に映画に盛りこめた
情報量が少なかったことと

反物質の爆発という
タイムリミットがあるために
うんちくを言う時間が無いためだ

そのかわり、緊迫度が上がったのと
ラングドン教授の命がけのアクション
シーンがパワーアップしている

さらにローマ観光ビデオとして
美しい風景をこれでもかと堪能できて
何となく得した気分にひたれる

前作のヒロインのソフィーは
物語の重要なキーマンだったが
今回のヒロインのヴィットリアは
何のためにいたのか、わからん役だった

反物質の専門家としての
見せ場が全く無く、ラングドン教授との
ロマンスがあるわけでもない
その時間が足りない

彼女は最後に反物質の爆発を
阻止する役であったが
科学者らしい描写が無くて
一般人みたいな、反応しかみせない

それは、こんな危険なものを
後先考えずに利用した黒幕も同じ
突っ込みどころがありすぎる

この映画の見せ場である
神聖なシーンを作り出すために
この２人の活躍は必要だったわけだ

「宗教と科学」の問題に対する
ヴァチカンの主張そのものが
ラストのメッセージになっているが

老人＝保守、若者＝改革という
従来からある対立を仕掛けにして
観客を惑わすという、凝った演出もあった

それは、この問題の本質が
我々の想像を超えるほど
一筋縄では行かないことを指している


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