ＤＪ犬による映画雑談

「ロビン・ウィリアムズをみて、
ハナ 肇の銅像コントを思い出した」

真夜中の博物館で、展示品が動き出す…！　
大ヒット作の第２弾。
今回の舞台は、世界最大の博物館群・スミソニアン

巨大リンカーン座像、
ロダンの彫刻「考える人」に現代美術、
深海に住む巨大なダイオウイカ、
ナポレオンにアル・カポネ、
野心家のエジプトのファラオ、
果ては飛行機や宇宙ロケットまで動き出す。

前作のラリーは、失敗ばかりで定職に就けずに、
息子のニックとともに暮らせない、さえない男だったが、
今回は、仕事で成功を収め、息子と生活している。

主人公として、試練がなくなってしまっているが
その変わりに今回は、ロマンスという価値が付いている

その相手に選ばれたのが、
伝説の女パイロットのアメリア・イヤハートだが、
消息不明になっても、現在まで探索が続けられている
ことからわかるように、米国では人気のある人だ。

ナイト ミュージアムの人形がもつ、
一晩だけの奇跡もからめて、
ロマンチックにまとめられている。

ラリーは、警備員ではなく、
たんなる一般人として登場している。

前作にあった、博物館を守るということが
希薄になってしまい。唖然・呆然としながらも、
展示物をまとめようとする作業が無くなった。

スミソニアンで起こる騒動では
ほとんどが、事態を収拾せずに
素通りしていくことになる

ベン・スティラーをみていると、
あえてそれを嫌って、避けたような気がするが、
起きていることはすごいが、結果はショボイという
印象を残すことになってしまっている。

今回の悪役であるエジプトの王、
カームンラーが、悪の最強軍団を蘇らせるという
一連の騒動がすべてを物語っていて、

ナイト ミュージアムでは、
元から居た警備員達の悪だくみを、阻止することが
話の流れであって、相手は人間だった。
今回は展示物になって、グレードがダウンした。

カームンラーが、子供むけのコメディタッチで
仕上げられた性格なのも、影響していると思うが、
物語の筋書きは、博物館のディスプレイで表示される、
案内用の映像としては合格程度のものだ。

仕事で成功を収めたものの、
それが本当に幸福なのかを問い直すというのは、
最近の世情を反映させていて、堅いものになっている。

ラストのナイト ミュージアムを逆手に取った、
展示物の利用は、ファンタジックにあふれているが、
ラリーの転身は、成功で浮かれた米国人に、
お灸を据えた苦い味を感じてしまう。

すぐその後に、彼女との再会を持ってくるあたりが、
いかにも米国人らしくシャレているんだけどね。

スミソニアン博物館の広大さを利用した、
飛行シーンなどは圧倒されてしまうが、
前作にあった、博物館全体を利用した仕掛けが、
無くなってしまっているのが残念ではある。

それと展示物のあつかいになれた、
ベン・スティラーの落ち着いた対応が、
新しい笑いとなって、散りばめられている。

アメリア・イアハート

ナイト ミュージアム

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