ＤＪ犬による映画雑談

「笹野高史のズラネタだけで、
最後までもたせてしまう、これぞプロ」

戦々恐々の新人ＣＡ。
ＣＡ泣かせの鬼チーフパーサー。
乗客のクレーム対応に追われる日々に
限界を感じるグランドスタッフ。

複数の人物の行動などを、
同時進行的に一度に描く作品で、
主役は当然、飛行機だ。

映像作品である以上は
ストーリーが存在するのだが、
演出という面においては、
小さなエピソードを積みかさねて、
進行させていく

矢口監督の事前リサーチが、
どこまで正確だったのかがポイントになるし
どこまで盛りこめられるのかもポイントになる

飛行機に詳しい人からは、
間違いや誤りがほとんどないと、
言われているので、その辺は安心だろう。

しかし、航空管制官が、
私服で仕事しているのは驚いたけど。
お菓子を食べているのも驚いた。

飛行機ものになれば、
専門用語のオンパレードで、
そればっかりではつまらない作品になる

現場の人間のホンネが
ときおりでてきて、観衆をどっきりさせ、

観客の分身として、綾瀬はるかが
変わりにいろんな体験をして、

プロとしての厳しさや、
仕事範囲における規律などをみせることで、
誰にでも共感を呼べるメッセージを、
きっちりと作り込んでいる

パイロットの時任三郎と、
ＣＡの寺島しのぶの役は、
その要としての役を果たしている

どちらも、厳しさという点で
共通しているのだが、

時任三郎の楽観的な言動の数々は、

となりにいる人物の緊張をほぐすだけではなく、

どのパイロットにも共通していることで、

そんな風にも思わないかぎり、
この仕事は厳しくてやってられないという、
パイロットの心情ではないかと思った。

寺島しのぶは、クレームをつけた
ある客に対して、厳しい言葉をかけるが、
これもまた、本音、しかもガチの本音で、
命を預かる立場の毅然とした態度とみるべき。

緊急着陸時は、声にだして、
手順を復唱する姿にプロの仕事をみせられた。

この映画で一番ストーリーらしいものは、
グランドスタッフの田畑智子の件ですが、
いやらしいというよりも、
爽やかな結末で、後味をすっきりさせてる。

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