ＤＪ犬による映画雑談

「ラストシーンをみると、
ウェイドは脱獄する気まんまんじゃん」

１９５７年公開の「決断の３時１０分」を
ジェームズ監督がリメイクした西部劇

刑務所に連行される強盗団のボスと
彼を護送する牧場主の姿を描く
近代西部劇の最高傑作と言われる

主人公ダンは一家を立ち退かせようとする
地主らによって様々な嫌がらせを受け
さらに、妻からは蔑視され、息子から軽蔑される
非常に情けない男として登場する

片や悪党のウェイドは、残虐性と寛容さ、
正確な射撃の腕前と深い教養を持つアウトロー
ただし、発砲する時にクセがあって、
それは仲間にバレバレなのがお茶目

さて、ウェイドにはもうひとつ特異なことがあり
それは会話を通して、相手の心のスキに入り込むこと
女だけではなく、男もいけるという優れもの

ウェイドに殺される連中は、選別を受けて
あの世行きになるのだが、唯一ダンだけは
コンテンションの町に着くまで、ウェイドに心を開かない

３時１０分、最後の決断だが
この危険な仕事を引き受けたのは金のためではないと
ダンは本当の理由をウェイドに語り始める

ここからは、前半とうって変わって
ダンが話をはじめ、ウェイドが聞き役に回る

ここで面白いのは、ウェイドがダンにかけた
１０００ドルという価値の話

退役した時の金額、護送する代金
そのどちらにも、ダンの自尊心を
満足させる金額ではない

ダンが喜んだのは、その後に
バターフィールドに要求した金額に表れている

ウェイドがダンの足の傷についての
真実を知ったときに、
それが不名誉のことであり

今度こそ、命がけで名誉を
取り戻そうとする不器用なダンに
一瞬でホレちまったってことかな

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by TREview