ＤＪ犬による映画雑談

河童と少年の物語だと
どうしても子供向けの
ファミリー映画を思い浮かべ
観るのだが

冒頭の大人の事情で
幕を開ける展開には
意表をつかれた

そこからは
想像通りの物語が
展開していくわけだが

忘れたころの終盤に
冒頭のイベントが
引き金になるこれまた
意外な展開が待っている

それまでのファミリー映画的な
流れがバッサリと切られ
ドラマチックな演出になる

オッサンという犬の
予期せぬ事態もそうだが
この２個所は唖然とさせられた

環境問題やいじめや
マスコミの報道や人間関係など
河童なんて古臭いものを
持ち出しながら

現代社会のモラルを
辛らつに風刺する表現が
ところ狭しと駆け巡る
久々に観た硬派な映画だった

ここまで思い切った
演出ができる映画は
その製作者の想いが大変こもった
ものなんだろうと思う

アニメで重要になる作画においても
特に背景に力が入っている
あたたかい色使いにはかなり
力のこもった作業ではなかっただろうか

クゥと少年一家の生活は
まさに自然そのもので
過剰な演出や過度のお涙頂戴的な
演出を期待できるものでない

また台詞ひとつとってもそうだ

この映画はワザとらしく演出され
押し付けられるだけの主張映画よりも
いろいろと考えさせてくれる


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